心身症と保護者の関わりこのページを印刷する - 心身症と保護者の関わり

 心身症とは、体の病気の中で、発症や悪化に心理的・社会的な要因、ストレスなどが密接に関わるものをいいます。

 例えば、毎朝登校する前にはお腹が痛くなり、顔色も悪くなり、学校に行きにくくなっているお子さんがいます。お腹の検査をしてもはっきりした異常は見つかりません。夏休みに入ると、腹痛はましになります。このお子さんでは、「おなかが痛い」という身体の症状が、「学校に行かなければ」という気持ちと関連していると考えられます。

 このようなお子さんの場合、多くの親御さんは、「この症状さえなくなれば、学校に行けるのに」と考えます。そして、色々な病院で診てもらうのですが、特に異常はみつからず、「心の問題でしょう」と言われて途方に暮れてしまいます。

 人間の体はとても複雑です。病院でできる検査はその一部分を調べるに過ぎず、「検査で異常がない」=「問題がない」という訳ではないのです。その子が抱えているしんどさというものは、病院の検査には反映されないものなのでしょう。

 病院の検査で異常がみつからないということはすぐに何か処置をしなくてはならないような大変な病気の可能性は少ないということです。少し時間をかけてゆっくり対応策を考えましょう。

 一番大切なことは、「親はいつでも子どもの味方、子どものよき協力者である」ということだと思います。例えば、親御さんが我が子のためにと思って話したことに、お子さんは喜んでいましたか。もし、お子さんから「うるさい、そんなこと言われなくてもわかっている」という言葉が返ってきたとしたら、どんなに我が子のためと思って話したとしても、それは子どもの味方、力にはなっていないのかもしれません。

 病院で色々検査したけど、「異常はない、心の問題では」といわれ、どうしたらよいか困っておられる御家族がおられましたら、一度御相談ください。親御さんだけの相談でも構いません。一緒に考えて行きましょう。