炎症性筋疾患のポイント―多発性筋炎・皮膚筋炎を中心に―このページを印刷する - 炎症性筋疾患のポイント―多発性筋炎・皮膚筋炎を中心に―

はじめに

みなさん、こんにちは。今回は平成30年10月22日に宇治保健所で行いました講演の内容をご紹介したいと思います(少し追加している部分もあります)。
炎症性筋疾患に関しての講演です。炎症性筋疾患に属する病気は、多発性筋炎・皮膚筋炎が代表的ですが、そのほかにもいろいろなものがあります。
患者さんが比較的少ない疾患ですので、なかなか独立してお話しする機会が少ないのですが、今回は十分に時間をとってお話しさせていただきました。
いつものように、話し言葉で記載していきます。著作権の関係のためにスライドそのものを掲載できないことをお許しください。もちろん、内容はスライドなしでも理解可能なものになっています。

さっそく始めましょう。
ここにお集まりのかたは、患者さん、あるいは患者さんのご家族のかたがほとんどですので、筋炎がどのような病気であるかはあらためて説明する必要はないかもしれませんが、簡単に触れさせていただきます。

炎症性筋疾患とは、筋肉に炎症が起きて、その炎症がずっと続いていく病気です。炎症とは、もともとは壊れた組織を修復する(なおす)ための反応ですが、江戸の時代の町火消しのようなもので、燃えかけ・壊れかけの部分をいったん壊してしまってから再生させるという手順をとります。そのために炎症がずっと続きますと、組織は壊れ続けていくことになります。筋肉で炎症がずっと続けば、筋肉は壊れていき、力が入らなくなり、生活への影響を生じてしまうことになります。手足の筋肉の症状が主になりますが、ものを呑み込む嚥下に関わる筋肉や、心臓などの内臓の筋肉にも炎症が及ぶことがあります。
炎症性筋疾患という名前はついていますが、炎症は筋肉だけにとどまらないこともあり、肺や皮膚など他の臓器に及ぶこともあります。

炎症性筋疾患の代表的な病気は多発性筋炎、皮膚筋炎です。その昔は、皮膚の症状がない筋炎が多発性筋炎であり、皮膚の症状がある筋炎が皮膚筋炎である、とされていました。この考え方は実際の診療の上では意味がないわけではありませんし、現時点での厚労省の診断基準にもその考え方が反映されています。しかし、研究が進むにつれて、そのような単純なものではないとされてきています。

多発性筋炎、皮膚筋炎の他にも炎症性筋疾患の病気はあり、それぞれ病像は違ってきます。さらに申し上げれば、同じ多発性筋炎、皮膚筋炎の中でも個々の人で病像は違ってきます。
本日は、診断、評価、治療の全般にわたって、お話をしていこうと思います。

第一部:炎症性筋疾患は、皮膚の病変、筋肉の病変と自己抗体によって診断される

多発性筋炎・皮膚筋炎の診断基準

これは厚生労働省の、多発性筋炎・皮膚筋炎の診断基準です。詳しいことは省きますが、筋炎の診断で重視されているのは、以下の3点であることがわかります。
 
  1. 皮膚の症状があるかどうか
  2. 筋肉の症状があるかどうか(筋肉の組織を取ってきて顕微鏡で評価する、いわゆる病理学的評価も推奨されています)
  3. 自己抗体があるかどうか(自分の細胞の成分に対する抗体のことです。抗体はウイルスなどの外来の物質に対して作られるものなので、自己抗体は本来は作られないのですが、筋炎のような自己免疫疾患では、自分の成分に対して自己抗体が作られてしまうことがあります)

皮膚の症状

第一の皮膚の症状、皮膚筋炎でみられる皮膚病変の代表的なものをご紹介しましょう。
 
  1. ヘリオトロープ疹
    両側または片側のまぶたにできる赤紫色の紅斑(平たい赤い発疹)のことを指します。
    まぶたですので、眼を閉じていただかないとわからないことがあります。
  2. Gottron丘疹
    手の指の関節のところの背側(手のひらと反対側)にできる丘疹(少し盛り上がった発疹)
  3. Gottron徴候
    手の指の関節のところの背側(手のひらと反対側)や、手足の他の関節の背側にできる紅斑(平たい赤い発疹):手の指に限らないということがポイントです
この他にも、さまざまの皮膚症状が認められることがあります。先ほどもお話ししたように、厚労省の診断基準、特定疾患の制度の中では、皮膚症状があれば皮膚筋炎、皮膚症状がなければ多発性筋炎、というように分類されますが、実際には事情は複雑です。

筋肉の症状

第2の筋肉の症状については、力が入りにくくなる、疲れやすくなるというのが主なものです。なぜか、手足の根元のほうである上腕やふとももの筋肉に病変が起こることが多く、腕が疲れてしまって髪を洗いにくいとか、階段が上りにくいということで気づかれることがしばしばです。炎症が強い場合や、炎症の起こる場所によっては、筋肉の痛みを感じることもあります。

筋肉の病変を評価する方法については後でも触れますが、厚労省の診断基準が載せているものは以下のようになります。
 
  1. 筋力テストという方法によって筋肉の力が低下しているかどうか
  2. 筋肉の痛みがあるか、あるいは筋肉を押えたときに痛みがあるかどうか
  3. 血液中の筋肉組織由来の酵素の値、つまりCK(CPK)、アルドラーゼが上昇しているかどうか
    筋肉が壊されると、筋肉の細胞の中にあるこれらの酵素が血液の中に漏れ出てきます。そのため、単純に筋肉が破壊されているかどうかだけではなく、現在どの程度の勢いで筋肉が破壊されているのかまで推測することができます。
  4. 筋炎を示す筋電図変化があるかどうか
    筋肉は神経を介しての電気的な信号によってその動きを調整されています。筋肉に針の電極を刺して、その電気信号のパターンを調べることによって、同じ力が入らないといっても神経が問題なのか、筋肉が問題なのか、あるいは筋肉がどの程度障害されているかなど、有用な情報を得ることができます。
  5. 筋生検で筋炎に特有の病理所見を認める
    筋生検による病理学的評価というのは、筋炎の筋肉の組織を採ってきて、顕微鏡で観察して評価を行うことです。
炎症性筋疾患の筋肉の組織の所見は、大きく3つのパターンに分けられます。
 
  1. 筋肉の線維の間にまで白血球が入り込んでいるパターン
    多発性筋炎や封入体筋炎にみられるものです。
  2. 筋肉の線維の間にまでは侵入せずに、束の外側、血管などが走っているところまでに白血球がとどまっているパターン
    皮膚筋炎にみられるものです。
  3. 筋肉にあまり白血球が侵入していないパターン
    壊死性筋炎(壊死性筋症という言い方もあります)にみられるものです。
これらの組織のパターンの違いは、どんな病像になるかを予想したり、どの治療手段が適当かを判断する手がかりにもなりますので、筋肉の組織を調べることは重要な意義があります。

自己抗体

第3の自己抗体は血液検査で調べます。
いろいろな自己抗体がありますが、代表的なものが、抗ARS抗体のグループです。抗ARS抗体は、正式には抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体といいます。患者さんの25~30%で陽性になるといわれています。厚労省の診断基準の項目にも入っていますし、保険診療で測定することができます。
抗ARS抗体のグループにもいくつもの抗体がありますが、代表的には、抗Jo-1抗体です。抗Jo-1抗体は筋炎の患者さんの15~20%で陽性になるといわれています。

抗ARS抗体以外の自己抗体としては、抗SRP抗体、抗HMGCR抗体、抗MDA5抗体、抗Mi-2抗体、抗TIF-1γ抗体など、この他にも多数の自己抗体が報告されています。このうちの抗MDA5抗体、抗Mi-2抗体、抗TIF-1γ抗体は、保険診療で測定することができます。

どの自己抗体が陽性になるかで、病像が変わってきます。あとでも述べますが、抗ARS抗体が陽性である場合は慢性の間質性肺炎が起こることが多かったり、抗MDA5抗体が陽性である場合には急性の間質性肺炎が起こることが多かったり、抗TIF1-γ抗体が陽性である場合は悪性腫瘍の合併が多いなど、病像とのいろいろな関連が報告されています。

これらの、皮膚、筋肉、自己抗体の3つの要素をみながら、筋炎であるかどうか、そして筋炎であるとすればどの種類の筋炎であるか、の診断を行っていくわけです。そして、皮膚の所見を重視するか、筋肉の組織の所見を重視するか、自己抗体を重視するか、によって、炎症性筋疾患の分類は変わってきます。

第二部:炎症性筋疾患にはどのような種類の病気があるか

炎症性筋疾患の種類

さて、筋炎、炎症性筋疾患にはどのような種類があるのでしょうか。この問題に関しては、膠原病内科医、神経内科医、皮膚科医の間で統一見解がまだありません。
そこで、これがまあ一般的なところかと私が考えるところをご紹介しておきます。
(炎症性筋疾患の分類は、各科でとらえ方が少し違います。ざっくりと申し上げると膠原病内科は自己抗体と症状を重視します。神経内科は病理学的所見を重視します。このことは決して悪いことではなく、膠原病内科と神経内科の両方の科があるうちのような施設であると、診断・治療を行ううえで見方が複眼的になってメリットとなることがあります。当院のこの「病気について知りたい」のコーナーでも、神経内科のスタッフの作製した炎症性筋疾患のページもありますので、あわせてご参照ください)。
 
  1. 多発性筋炎
  2. 皮膚筋炎
  3. 筋炎をともなわない皮膚筋炎
  4. 抗ARS抗体症候群(1、2に含まれることもある)
  5. 他の膠原病に関連した筋炎
  6. 壊死性筋症(壊死性筋炎、壊死性自己免疫性筋炎)
  7. 封入体筋炎
抗ARS抗体症候群につきましては、次の第3部の肺の病変のところでご紹介しようと思います(抗ARS抗体症候群では、皮膚病変があることもないこともあります。臨床上、あるいは特定疾患の申請上は、多発性筋炎や皮膚筋炎として取り扱われます。このような事情は、他の種類についても同様です)
最後の二つの病気に関しては、ここで簡単にご紹介しておきましょう。

壊死性筋症(壊死性筋炎、壊死性自己免疫性筋炎)

壊死性筋症(壊死性筋炎、壊死性自己免疫性筋炎)とは耳慣れない言葉かもしれません。
壊死性筋症とは、もともとは筋肉の組織を顕微鏡で調べた時に、筋肉に白血球があまり侵入していない状態で筋肉の線維の壊死像(壊れてしまっていること)がみられることから名づけられました。
その後の研究で、壊死性筋症のなかには特徴的な自己抗体がみとめられることがある、とわかってきました。それが、1.抗SRP抗体陽性筋症、2.抗HMGCR抗体陽性筋症、です。
 
  1. 抗SRP抗体陽性筋症は、症状としては皮膚の病変はめったになく、多発性筋炎の病像を呈します。血液検査で筋肉が壊れていることをしめすCK(CPK)の値が非常に高いことが多いという特徴があります。心臓の筋肉の炎症を起こすことが、他の筋炎よりも多いとされます。ステロイド単独での治療よりも、免疫抑制剤の併用や、後で説明します大量免疫グロブリン静注療法が併用されることが多いようです。
  2. 抗HMGCR抗体陽性筋症の特徴としては、抗SRP抗体陽性筋症と同様に、血液検査で筋肉が壊れていることをしめすCK(CPK)の値が非常に高いことが多いということがあります。また、コレステロールを下げる薬であるスタチン(商品名でいえばリピトールやクレストールなど)を服用している人が多いということが挙げられます。
    なぜ、スタチンを服用している人に抗HMGCR筋症が起こることがあるのか、についてはまだわかっていません。これは余談になりますが、ヒラタケは2.8%のスタチン成分を含有していますので、欧米ではコレステロールを低下させる食べ物として、カプセルになっている製品もあるほど人気があります。このヒラタケを食べ過ぎていて、抗HMGCR筋症を発症する人がいらっしゃいます。
ここで注意が必要ですが、スタチンを服用していて血液検査でCK(CPK)が上昇してきたからといって、ただちに抗HMGCR抗体筋症というわけではありません。抗HMGCR抗体筋症はきわめて稀な病気です。ほとんどは普通の筋肉障害であり、スタチンの中止で改善します。スタチンを服用されているかたはご安心ください。

封入体筋炎

つぎに、封入体筋炎について触れておきます。この部分に関しましては、JCOM2018における東北大学の青木正志先生のお話を参考にさせていただきます。
この病名も聞きなれない言葉かもしれません。
筋肉の組織を顕微鏡でみたときに、「封入体」といわれる構造が細胞の中に認められたことから名づけられた病名です。従来は多発性筋炎といわれていた病態のなかで、現在の考え方では封入体筋炎にあてはまる人がいらっしゃると考えられます。

高齢で発症することが多く(厚労省の基準では40歳以上)、進行は緩やかで、筋肉の力は緩やかに低下していくことが一般的です。そのため、血液検査でCK(CPK)の値はあまり高くは上昇しません(厚労省の基準では20000IU/Lを越えない)。筋肉の力が低下するパターンとしては、手指を曲げる力、膝を伸ばす力が低下することが特徴的であることが知られています。また、嚥下に関わる筋肉が障害されることが多いことが、生活の面で問題になります。高齢の方で嚥下が悪い時に、少し考える必要がある病気かもしれません。

封入体筋炎は、他の6つの炎症性筋疾患と治療の方法が異なり、免疫抑制剤などはあまり用いられずに、大量免疫グロブリン静注療法が主となっています。

第三部:炎症性筋疾患の病像-肺と皮膚と筋肉の病変が重要-

多発性筋炎・皮膚筋炎の重症度のめやす

ここからは、多発性筋炎、皮膚筋炎を中心にお話をしていきます。
多発性筋炎、皮膚筋炎で治療の対象となる主な病態は、(1)肺、(2)皮膚、(3)筋肉、となります。
厚労省の重症度分類をみてみると、以下の項目で重症度が決まってきます。
 
  1. 筋力低下があるかどうか(徒手筋力テストで評価することになっています)
  2. CK(CPK)値もしくはアルドラーゼ値(CKと同じように筋肉の成分です。筋肉が壊れると血液中に漏れ出してくるので、値が上昇します)の上昇があるかどうか
  3. 活動性の皮疹(この定義は複雑です)があるかどうか
  4. 活動性の間質性肺炎があるかどうか(治療中の状況も含みます)
これらのいずれかがあるときは、重症として、医療費助成の対象となります。

炎症性筋疾患の肺の病変

肺の病変からご説明しましょう。
炎症性筋疾患の肺病変は、間質性肺炎が代表的です。間質性肺炎とは、通常の肺炎とは違って、肺の空間と血液との間で酸素をやりとりしている壁の部分での炎症が主となる肺炎です。この壁の部分で炎症が続くと、壁が壊され、線維成分が沈着して、酸素が通過しにくくなってしまいます。いったん線維成分が沈着してしまうと、それを取り除くことは困難ですので、早期発見・早期治療が重要になります。

ゆっくりとした進行の慢性の間質性肺炎と、急激に進行する急性の間質性肺炎に分かれます。
慢性の(ゆっくりした進行の)間質性肺炎は、前にも触れました、抗ARS抗体が陽性である抗ARS抗体症候群で認められることが多い病態です。肺の画像検査、CT検査で見ますと、肺の両側、とくに下の方に、すりガラスのような淡い影や、べたっとした均一な影を認めます。

慢性の肺病変の多い抗ARS抗体症候群

抗ARS抗体症候群は、皮膚筋炎にも多発性筋炎にもなりえます。前にも述べましたように、炎症性筋疾患の25~30%を占めます。70~90%の患者さんで間質性肺炎を合併し、その間質性肺炎は慢性の病態です。間質性肺炎は、ステロイド治療によく反応することが多いのですが、ステロイドの減量にともなって再燃することもあります。

抗ARS抗体症候群は、慢性の間質性肺炎のほかに、関節の炎症を起こすこともあり、関節リウマチと間違えられることもあります。また、レイノー現象といって、寒さの刺激によって、指先がろうそくのように真っ白になるという血流障害の症状がでることがあります。さらに、メカニックハンド(機械工の手)といって、手指の皮膚がかさかさ、がさがさと角質化するような皮膚症状を認めることがあります。

急性の肺病変の多い抗MDA5抗体陽性の皮膚筋炎

急性の(急激に進む)間質性肺炎は、筋炎をともなわない(もしくは筋炎があっても軽症)皮膚筋炎で認められることが多い病態です。この場合、筋炎が軽症であるほど、間質性肺炎の治療が難しい(治療の効果を得にくい)傾向があります。抗MDA5抗体が陽性になることがあります。

抗MDA5抗体が陽性になる筋炎は、皮膚症状の強い皮膚筋炎になります。逆に筋肉の炎症の程度は軽いことが多く、症状としても血液検査をしても筋炎の所見を認めないこともあります。このような病状の時を、「筋炎をともなわない皮膚筋炎」といいます。
抗MDA5抗体が陽性の患者さんでは半数以上で間質性肺炎を合併し、その間質性肺炎は急性の病態です。治療には難渋することが多いのですが、ひとたび落ち着いた場合は、間質性肺炎が再燃することは稀であるという特徴があります。

炎症性筋疾患の筋肉の病変

少し脱線しました。炎症性筋疾患の主な病態の話にもどりましょう。
肺の次は筋肉の病変の話です。
筋肉の病変を評価する方法としては、以下のようなものがあります。
 
  1. (手で行う)筋力評価
  2. CK(CPK)やアルドラーゼなどの血液検査値
  3. MRI
  4. 患者さんの自己評価
  5. 医師の評価
 

筋肉の病変の評価方法-徒手筋力テスト

手で行う筋力テスト(徒手筋力テスト)について、少しご紹介しましょう。MMTと略称される、5段階評価です。重症であるかどうかの境目は、重力の影響があっても動かすことができるかです。たとえばベッドの上でしたら、シーツに沿って動かすことはできるが、シーツから離せるように持ち上げることができるか、ということになります。持ち上げることができれば、重力の影響があっても動かせるということで、「3」評価になります。できなければ「2」評価です。少々の抵抗を加えても動かせる場合は「4」評価、強い抵抗を加えても動かせる場合は、もっとも良い評価である「5」となります。

代表的な筋肉での徒手筋力テストを例としてご紹介しましょう。ここの部分に関しては第7回筋炎ワークショップにおける山口大学の古賀道明先生のお話を参考にさせていただきます。
まずは、座った姿勢で腕の「三角筋」「上腕二頭筋」「上腕三頭筋」を評価し、つぎに仰向けに寝た姿勢で首の「頚部屈筋」と腰の「腸腰筋」、ふとももの「大腿四頭筋」を評価します。その後うつぶせの姿勢になっていただき、ふとももの「大腿屈筋群」を評価します。現在の特定疾患の制度で評価することが求められているのは、これらの7つの筋肉ですが、この他、炎症性筋疾患で筋肉の力が低下しているかどうかを簡便にみる方法として、胸の「大胸筋」の力を評価する方法があります。

ここでは、胸の「大胸筋」の評価方法について触れたいと思います。
 
  1. 両腕を前に出していただき、左右の手のひらをぴったりと合わせていただき、手のひら同士が離れないように力を入れていただきます。
  2. 医師などの評価を行う人は、両手で患者さんの両手首を握って、患者さんの手のひら同士を離そうとするように力を入れます。
  3. 評価を行う人が十分に力を入れても、患者さんの手のひら同士を離すことができなければ「5」評価となります。
  4. 評価を行う人が人差し指と中指の2本の指を使うだけで、患者さんの手のひら同士を離すことができるか、いい勝負か、というときは「4」評価となります。
  5. 小指1本を使うだけで、患者さんの手のひら同士を離すことができるか、いい勝負か、というときは「3」評価となります。
筋肉の病変の評価方法として、次に挙げましたCK(CPK)やアルドラーゼといった血液検査で評価する方法については、第一部でも触れましたので、ここでは省略します。

 

筋肉の病変の評価方法-MRI検査

筋肉の病変の次の評価方法は、MRIを使う評価です。ここではふとももの筋肉のMRI像を提示しますが、ごらんのように炎症を起こしている部分の筋肉が白く映っています。また、炎症を起こした後の筋肉が脂肪が多い状態になっているのもわかります。ステロイドなどで治療を行っていきますと、MRIの像でこのように白く映っている炎症を起こしている部分がだんだん減って薄い色になり、ついには普通と同じような像になっていくことが見てとれます。
現在起こっている炎症と、これまで起こっていた炎症の筋肉への影響も評価できる点で、MRIは優れた検査です。
詳しくは述べませんが、筋肉のどこの部分で炎症が起こっているかによって、皮膚筋炎と多発性筋炎を区別することができる場合もあります。また、筋肉の組織を採取する場合に、MRIでどこに炎症の所見があるかを見たうえで、採取する場所を決めることもあります。

 

炎症性筋疾患の皮膚の病変

皮膚の病変の評価については、皮膚科医でない私は詳しく述べる資格はないと思いますが、あえて簡単にだけ触れさせていただきます。
皮膚症状の重症度基準は、皮膚筋炎によると考えられる以下の皮膚病変があることが条件となります。
 
  1. 丘疹
    少し盛り上がった赤い発疹のことです。
  2. 浮腫性または角化性の紅斑
    平たい赤い発疹のことです。浮腫とはムチンといわれる物質が溜まっていることを意味します。それほどぶよぶよした感じにはなりません。角化とはかさかさした感じになっていることを意味します。
  3. 脂肪織炎
    皮膚のすぐ下には脂肪を多く含んだ組織があります。そこに炎症が起きるのが脂肪織炎です。境界が比較的にはっきりしていて、硬めに腫れた感じとなり、赤くなっていることもあります(症状として現れてくるのは、それほど多い皮膚病変ではありません)。
    皮膚に石灰が沈着している状態が新たに出現したり、拡がったりしている場合も含まれます(成人には少ない病変です)。
これらのいずれかが複数の場所に認められるときに、皮膚病変が重症であると判定します。

第四部:炎症性筋疾患の治療

初期治療

いよいよ治療の話になります。多発性筋炎・皮膚筋炎の話が中心になりますが、他の炎症性筋疾患でも(封入体筋炎を除いては)基本的に治療は同様だと考えてください。ここでは多発性筋炎・皮膚筋炎治療ガイドラインを参考にお話ししていきます。

まずは初期治療です。筋炎の診断がつきましたら、以下のステップで治療を考えていきます。
 
  1. 第1段階は、皮膚の病変だけかどうかです。皮膚の病変だけであれば、紫外線対策とステロイドなどの外用剤(塗り薬)による治療が主となります。
  2. 第2段階は、筋肉の病変に加えて、急激に進行する間質性肺炎があるかどうかです。あれば、大量のステロイド剤に免疫抑制剤を併用します。免疫抑制剤は2種類を併用することもあります。
  3. 急激に進行するような間質性肺炎がなければ、a.大量のステロイド剤、もしくはb.中等量のステロイド剤と免疫抑制剤の併用、ということになります。最近の傾向としては、ステロイド剤の副作用を減らすために、積極的に免疫抑制剤を併用することが増えています。
もう少し詳しくみてみましょう。初期治療に関しての推奨される事項は、以下の通りです。
 
  1. 治療の第一選択薬はステロイド剤
  2. 慣習的に、体重1kgあたりプレドニゾロン換算で0.75~1mgで治療を開始
  3. ステロイドだけで治療するのではなく、早い時期からメトトレキサート(商品名メトトレキセートなど)、アザチオプリン(商品名アザニン)、タクロリムス(商品名プログラフ)、シクロスポリンA(商品名ネオーラル)のどれかの免疫抑制剤を併用した治療を考慮してよい
  4. ステロイド剤を早期に減らしていくためには、免疫抑制剤を併用する

初期の治療ではステロイド剤が重視されていること、免疫抑制剤の積極的な使用が考慮されていることがおわかりいただけるかと思います。

 

ステロイド剤で効果が不十分の場合の治療

それでは、その重要なステロイド剤で十分に病気の勢いを抑えられなかったときには、どうすべきなのでしょうか。それに関する推奨は以下の通りです。
 
  1. ステロイド剤による治療で効果不十分の筋炎に対しては、免疫抑制剤を併用すべきである
  2. こういう場合にわが国でよく使用される免疫抑制剤は、アザチオプリン(商品名アザニン)、メトトレキサート(商品名メトトレキセートなど)、タクロリムス(商品名プログラフ)、シクロスポリンA(商品名ネオーラル)である
  3. ステロイド剤による治療で効果不十分である皮膚筋炎・多発性筋炎では、大量免疫グロブリン静注療法(IVIg)による治療を考慮してよい
 

炎症性筋疾患で使用される免疫抑制剤

ここで、それぞれの薬剤、免疫抑制剤ですが、その効果についてみてみましょう。
まずは、アザチオプリン(商品名アザニン)です(Arthritis Rheum 1981;24:45)。図の下のほうがアザチオプリンとステロイドを併用しているグループ、上のほうがステロイドだけで治療しているグループです。ごらんのように、アザチオプリンを併用しているグループのほうがCPKが低く、筋炎の活動性が落ち着いているだけではなく、服用しているステロイドの量も少なくてすんでいます。

次に、アザチオプリン(商品名アザニン)と、メトトレキサート(商品名メトトレキセートなど)との効果を比較した報告をご紹介します(Arth Res Ther 2012;14:R22)。15年の期間にわたる追跡調査の報告です。これでみますと、メトトレキサートのほうが治療の継続率がよいことがわかります。治療の継続率は、効果と安全性の両者の点で決まってきますので、メトトレキサートのほうが効果と安全性のバランスに優れているといえそうです。

さて、アザチオプリン、メトトレキサート、どちらも有用な免疫抑制剤であるならば、これらを併用したらどうか、と考えられるでしょう。メトトレキサートで治療している患者さんにアザチオプリンを追加したり、中止したりして、メトトレキサートとアザチオプリンの併用の効果をみた報告があります(Arthritis Rheum 1998;41:392)。
その結果は、ご想像のように両者を併用したほうが治療効果が高かった、というものでした。治療がうまくいかないときの選択肢として、メトトレキサートとアザチオプリンの併用は有用でしょう。

今度は、タクロリムス(商品名プログラフ)です。皮膚筋炎・多発性筋炎の患者さんにタクロリムスを6か月間服用していただいた結果の報告があります(Clin Rheumatol 2012;31:1493)。いずれの筋炎においても、筋肉の力は強くなり、CPKの値は低下し、ステロイド剤の服用量を減らすことができています。

それでは、この報告でタクロリムス(商品名プログラフ)の効果がでやすかった患者さんは、どういう患者さんだったでしょうか。ふたつのポイントがわかりました。(1)筋炎を発症してまだ時間が経過していない早期の患者さん、(2)タクロリムスの血中での濃度が十分に確保できている患者さん、というものでした。タクロリムスを使うのであれば、早い時期に、十分量を使うことが重要といえるようです。

ここまで、国内で使うことのできる薬についてお話ししてきましたが、今後の展望を含めて、世界での治療のやり方についてご紹介しましょう(Nat Rev Rheumatol 2018;14:279)。
ここで紹介する論文では、治療は以下の3段階となっています。
 
  1. 第一段階:メトトレキサート(商品名メトトレキセートなど)、アザチオプリン(商品名アザニン)
  2. 第二段階:ミコフェノレート・モフェチル(商品名セルセプト:わが国では移植や全身性エリテマトーデスなどの治療薬として使用されています)、タクロリムス(商品名プログラフ)、シクロスポリンA(商品名ネオーラル)、メトトレキサートとアザチオプリンの併用
  3. 第三段階:リツキシマブ(商品名リツキサン:わが国では悪性リンパ腫やANCA関連血管炎などの治療薬として使用されています)、シクロフォスファミド(商品名エンドキサン)、生物学的製剤(わが国では関節リウマチなどの治療薬として使用されています)
    そして、この3つの段階のいずれの段階においても、大量免疫グロブリン静注療法(IVIg)による治療を併用することを考慮するようになっています。
 

大量免疫グロブリン静注療法(IVIg)

そこで、大量免疫グロブリン静注療法(IVIg)の紹介となります。わが国からの報告をお示ししましょう(Mod Rheumatol 2003;13:319)。IVIgによる治療を受けて3か月後の結果です。治療を受けた8人の内で7人が、筋肉の力、生活活動の能力、CPK値といった指標で効果が認められました。平均的には、3か月でCPKの値は半分の値にまで改善し、疲労のスコアも4分の1程度にまで改善しています。ステロイドの服用量も治療前の70%以下に減らせています。
IVIgによる治療では、5日間の点滴静注が必要ですので、拘束時間の点で問題はありますが、副作用も少なく、治療の有力な選択肢といえます。

 

生物学的製剤

最後に生物学的製剤について触れておきましょう。関節リウマチの治療においては劇的な効果を発揮し、まさに治療革命を起こしたというべき薬剤ですが、筋炎の治療では、どうも分が悪いようです。
有効であったという、少数の患者さんでの報告はいくつもあります。商品名でいえば、リツキサン、レミケード、エンブレル、アクテムラ、オレンシア、イラリスなどです。しかし、積極的に使うべきというだけの根拠は現時点ではありません。

 

炎症性筋疾患の間質性肺炎の治療

筋炎の治療の中で、とくに生活や生命への影響が多い間質性肺炎の治療について、独立して触れておこうと思います。
この論文では、中心となるのはやはりステロイド剤で、重症の時には点滴で大量に投与するステロイドパルス療法、それにシクロフォスファミド(エンドキサン)、リツキシマブ(リツキサン)、ミコフェノレート・モフェチル(セルセプト)、アザチオプリン(アザニン)、タクロリムス(プログラフ)、シクロスポリンA(ネオーラル)となっています。筋炎の全体の治療の時と免疫抑制剤の並び順が違っていることが注目されます。筋肉の病変に有効な薬剤と肺の病変に有効な薬剤とは微妙に違う、ということです。

わが国では、筋炎の間質性肺炎に対して、どのような薬剤が用いられているのでしょうか(Mod Rheumatol 2016;26:115)。この報告ではステロイド単独での治療が30%、ステロイドとプログラフもしくはネオーラルとの併用が43%、ステロイドとエンドキサンの併用が意外に少なくて4%、残りの20%がステロイドとプログラフもしくはネオーラルとエンドキサンの3剤併用となっています。
わが国では、プログラフやエンドキサンが用いられることが多いことがわかります。

ステロイドによる治療で効果が不十分であった筋炎の間質性肺炎の患者さんに、プログラフを追加投与した報告があります(Clin Rheumatol 2010;29:443)。これをみますと、呼吸の機能がほぼ全例で改善していることがわかります。

さきほども申し上げましたように、間質性肺炎は生活や生命への影響が大きい、とされてきました。しかし、最近では治療の進歩を反映してか、そこまでの影響はない、間質性肺炎を合併していても命への影響は少ない、という報告もでてきています(Mod Rheumatol 2016;26:115)

 

炎症性筋疾患の個々の病態の治療

さて、筋肉の病変、肺の病変というように治療をみてきましたが、ここではそれ以外の個々の病態の治療について触れてみようと思います。
前にもご紹介しました多発性筋炎・皮膚筋炎治療ガイドラインを参考にしています。
 
  1. 嚥下障害、食べ物がのみ込みにくい状態のときの治療
    筋炎では嚥下に関係する筋肉にも病変が及ぶことが珍しくありません。食事をとることは人間にとっての基本的機能ですから、これに対する治療が重要であることは言うまでもありません。
    第一選択の治療はもちろんステロイドですが、それで効果不十分の場合はIVIg療法が推奨されています。
  2. 心筋障害、心臓の筋肉に病変が及んでいる場合の治療
    心臓の重要性については、あらためて申し上げる必要はないでしょう。
    この場合も第一選択はステロイドですが、とくに使用量は多めがよいとされ、点滴静注で投与するパルス療法も推奨されています。また、免疫抑制剤を併用することも推奨されています。
  3. 皮膚症状のみの場合の治療
    軽症であれば(新たに出てきたり、悪化していなければ)、とくに治療せずに様子をみていく場合もあります。また、塗り薬(ステロイドの外用剤)のみの治療とする場合もあります。しかし、外用剤ではなかなか効果がないこともあり、この場合は内服薬として免疫抑制剤・免疫調整剤が使用されることもあります。
 

炎症性筋疾患の合併症として可能性がある悪性腫瘍(癌)

肺の病変、筋肉の病変、皮膚の病変を中心にお話しさせていただいてきましたが、筋炎には、忘れてはいけない合併症があります。頻度は多いものではありませんが、癌の発症の可能性です。
癌を合併した筋炎の患者さんは、治療の効果も出にくいことがあり、また当然のこととして生命のリスクがより高いことが知られています。
筋炎の患者さんではどのような癌が多いか、ですが、我が国からの報告をみてみましょう(Mod Rheumatol 2016;26:115)。これをみますと、多発性筋炎よりも皮膚筋炎の患者さんで癌が多いことがわかります。種類は、数として多かった順にいいますと、肺癌、胃癌、大腸癌、リンパ腫、乳癌、膀胱癌で、これらは一般的にも多い癌ですので、明らかな傾向はなさそうです。
癌が発症する時期も、筋炎発症前や、同時や、発症後、あるいは発症してから5年のうちが多いなど、さまざまの報告がありますが、個々のケースでのばらつきが多いというのが現時点での一般的な見解でしょう。

このように言ってしまうと、全く予想がつかないかのようですが、実は自己抗体の種類によって癌を発症するリスクは違ってきます。
成人では抗TIF1-γ抗体が陽性の患者さんで悪性腫瘍を合併することが多いことがわかっています。
いずれにしても、筋炎の患者さんは、癌検診をしっかりと受けていただくようにされるのがよいと思われます。わが国では公的な癌検診の制度が充実していますので、制度を賢く利用していきましょう。

 

炎症性筋疾患のリハビリテーション

最後にリハビリテーションについてお話ししようと思います。
筋肉が炎症を起こしているというのは、筋肉が「けが」をしているような状態ですので、安静にしたほうがいいのか、動かしたほうがよいのか、動かすとしたらどの程度動かしてよいのか、というのは長年の論争の的でした。現在でも、この疑問に十分に答えられているとはいえない状況ですが、ある程度の統一見解はできています。筋肉の炎症が強い時は別として、基本的には動かしたほうがよいという考え方です。
何度も参考にさせていただいている多発性筋炎・皮膚筋炎のガイドラインをみてみましょう。
 
  1. 慢性期のリハビリテーション
    慢性期、つまり発病してから時間が経過し、病状も落ち着いてきているときにリハビリテーションを行うことは、筋肉の炎症を悪化させることはなしに筋肉の力を回復させる可能性がある。したがって、リハビリテーションを行うことが推奨される。
  2. 治療早期のリハビリテーション
    治療早期からリハビリテーションを開始することは、筋肉の力を低下させてしまうという報告はない。そのため、リハビリテーションを施行してもよいが、筋肉の力を改善させる効果があるかどうかは明らかではない。また、リハビリテーションを行う場合の最適な負荷の程度も明らかではない(どの程度のリハビリテーションをすればいいのかわからない、ということ)。

リハビリテーション、というか、運動には2種類があります。「有酸素運動」と「負荷運動」です。
有酸素運動の指標に「VO2Max」というものがあります。1分間に、体重1kgあたり、何mlの酸素を取り込めるか、最大に努力した時の有酸素運動能力を表す指標です。
負荷運動(いわゆる筋力トレーニング)の指標に「VRM」というものがあります。ある重さの負担をかけた場合に、何回繰り返して関節運動ができるかを表す指標です。

発症してから平均8年間が経過している多発性筋炎・皮膚筋炎の患者さんに、週3回の有酸素運動と負荷運動を1年間行ったら、この2つの指標がどうなったかを見た報告があります(Arth Care Res 2013;65:1959)。
ごらんのように、運動を行ったグループでは、運動していないグループに比べて、統計学的にも意味のあるレベルで差をつけて、VO2MaxもVRMも改善しています。

1年間も運動すれば、差がついて当然では、と思われたかたも多いのではと考えますので、次はもっと短期間での成果をみた報告をご紹介しようと思います。発症してから平均7年間が経過している多発性筋炎・皮膚筋炎の患者さんに、週3回の有酸素運動と負荷運動を、今度は3か月間行ったら、有酸素運動と負荷運動の指標がどうなったかを見た報告です(Arth Res Ther 2013;15:R83)。
結果はどうだったでしょうか。運動をしなかったグループでは、2つの指標が悪化していました。これに比べて、運動をしたグループでは2つの指標は改善していました。3か月間でも、意味はあるのです。
この報告では、さらに意義深いことがわかりました。なんと3か月間でのCPK値の変化をみてみますと、運動したグループではCPKの値が改善している人が多かったのです。慢性期のリハビリテーションは、CPK値を悪化させることはない、むしろ改善させることすらある、ということがわかりました。

おわりに

本日の話のまとめです。
 
  1. 多発性筋炎・皮膚筋炎などの炎症性筋疾患の診断は、症状、筋肉の組織の顕微鏡的所見、自己抗体の種類などをみて、総合的におこなわれます。
  2. 多発性筋炎・皮膚筋炎などの炎症性筋疾患の活動性(病気の勢い)の評価は、皮膚、肺、筋肉の状態をみて、総合的に行われます。
  3. 治療の中心はステロイド剤ですが、積極的に免疫抑制剤を併用するようになってきています。
  4. 免疫グロブリン大量療法(IVIg)もよく行われます。生物学的製剤は個々の患者さんで有効であったという報告はあるものの、全体としては、まだあまり有効なものがありません。
  5. リハビリテーションも有効です。保険適応など現実の課題が改善されていくことが望まれます。
本日の私の話が、少しでも、炎症性筋疾患にかかっていらっしゃる皆様とその関係者の方々のお役に立つことができたのであれば、これほど嬉しいことはありません。長時間にわたってご清聴いただき、ありがとうございました。