回復期リハビリテーション病棟
1.回復期リハビリテーション病棟とは
「回復期リハビリテーション」とは、急性期の治療が終了した後に、身体的・社会的サポートが必要な患者さまに行われるリハビリテーション医療です。専門の多職種がチームを組んで連携した治療を行い、その人らしい活き活きとした生活への復帰を支援する病棟です
2.回復期リハビリテーション病棟の対象患者および入院可能日数
疾患 | 入院限度期間 |
---|---|
脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症後もしくは手術後の状態または義肢装具訓練を要する状態 | 150日 |
高次機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頚髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷 | 180日 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節・膝関節の骨折、二肢以上の多発骨折の発症後または手術後の状態 | 90日 |
外科手術または肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後または発症後の状態 | 90日 |
大腿骨・骨盤・脊椎・股関節・膝関節の神経、筋または靱帯損傷後の状態 | 60日 |
股関節または膝関節の置換術後の状態 | 90日 |
急性心筋梗塞、狭心症発作、その他急性発症した心大血管疾患または手術後の状態 | 90日 |
3.当院の回復期リハビリテーションの流れ
回復期入院患者の流れ~入院から退院まで~
回復期入院患者の流れ~1日~
4.当院の特徴
回復期リハビリテーション病棟入院料2
当院の回復期リハビリテーション病床数は55床です。当院に期待される役割に照らしまして、神経筋難病だけでなく、腰痛・関節痛やその他の合併症をお持ちの方、もともと障害がおありの方、ご高齢の方にも、広くリハビリテーション医療の門戸を開くことに主眼をおき、当院では回復期リハビリテーション病棟入院料2を取得しています。これにより、退院準備に時間のかかる方にもご利用していただくことが可能となっています。リハビリテーションを必要とするどのような患者様でも受入れられる施設を目指しています。
365日リハビリ
当院では平日のみならず、土曜日、日曜日、祝日、年末年始を含めた365日リハビリテーションを実施しています。回復していく時期に、集中したリハビリテーションを提供させて頂く事で、機能回復を最大限に高め、家庭復帰や社会復帰を目的としています。
総合病院ならではの専門診療科との連携
各診療科の専門医がサポートしており、安心安全なリハビリテーション医療を提供します。
経験豊富な療法士が、専門性の高いリハビリテーションを提供
国立病院機構のスケールメリットを活かした職員教育により、急性期~在宅復帰まで幅広い経験をした療法士や各分野に精通した療法士が在籍しています.
静かで療養に適した環境
緑豊かな右京区に立地し、四季折々の自然環境に恵まれた静かな環境の中で、集中してリハビリテーションに取り組むことができます。
廊下の両側から自然光が差し込み、廊下幅も十分確保されていて安心して歩行訓練もできます。
敷地内には50種にも及ぶ桜があり、春になるとピンク色に染まります。
5.各部門の紹介
患者さん一人一人の状況や状態に合わせた、オーダーメイドの内容で実施しています。
理学療法:運動機能の回復
さまざまな装具の利用
麻痺や手術後などにより足の力が弱くなっている時は、患者さんの状態に合った装具を選び、立ち上がり訓練や歩行訓練等を行います。
長下肢装具を使用しての歩行訓練
片麻痺などにより脚全体に麻痺が生じている時は、長下肢装具を使用して歩行訓練を行います。
エルゴメーターを使用しての全身持久力及び下肢筋力強化運動
体力低下や下肢筋力が低下している時は、エルゴメーターで負荷をかけて運動を行います。
ベッド上での運動
ベッド上では、体や手足の筋力強化運動、ストレッチ、バランス練習などを行います。
階段昇降訓練
ご自宅へ退院される時の状況を想定して、階段の昇り降りや床での立ち座り練習などを行います。
低周波電気刺激による神経筋再教育
麻痺などにより手足の力が出しづらい状態になっている時は、電気刺激のサポートによって関節運動を行います。
作業療法:日常生活動作の回復
トイレ動作訓練
安全にリラックスして、入浴できるように練習や手すり調整などを行います。
調理訓練
日常生活の支障となる高次脳機能障害を様々な検査で評価し、訓練につなげます。
言語訓練
嚥下状態や誤嚥リスクを把握し、安全な食形態やとろみの濃度の選定につなげます。
看護部:社会復帰に向けた支援
入院生活の全ての時間や場面がリハビリであり、社会(在宅)への道と考えています。看護師は病棟内での活動全般をリハビリと捉えサポートしています。
6.当院回復期リハビリテーション病棟の実績
2022年4月~2023年1月における実績についてご紹介します。
実績指数
実績指数とは、リハビリテーションによる改善の程度を示す指標のことです。
食事、トイレ、入浴などのADL(日常生活動作)の評価法の一つであるFIM(機能的自立度評価法)を用い、入棟期間中にどれだけ改善したかを指標化します。
最も厳しい入院料1の基準をクリアしています。
平均在棟日数
全国平均よりも早く自宅に帰れるように支援しています。
全国平均 | 当院 |
---|---|
69.2日 | 64.1日 |
重症患者割合と在宅復帰率
施設基準 | 当院 | |
---|---|---|
入院時の重症患者割合 | 30%以上 | 42.5% |
重症者の改善率 | 30%以上 | 54.0% |
在宅復帰率 | 70%以上 | 90.6% |
重症患者の改善率が54.0%と、施設基準を大きく越えています。
また在宅復帰率は90.6%で、施設基準の70%さらには全国平均の79.1%も上回っています。
7.その他
入院の申し込みについて
当院の回復期リハビリテーション病棟への入院をご希望いただく場合、現在ご入院中の病院の主治医・看護師等にご相談下さい。そのうえで、現在ご入院中の病院から当院の地域医療連携室にお申し込みいただきます。当院の地域医療連携室にお申し込みいただく際に、「回復期リハ対象患者申込書」と「診療情報提供書」をFAXしていただくことで当院の受付となります。その後入院の可否を判定し、入院が決定した場合は入院日を調整させていただきます。
面会について
詳細については以下よりご確認ください。
入院期限について
患者様お一人お一人の身体機能や到達目標をふまえて、毎月行われるカンファランスで、医師・療法士・看護師などの多職種で相談しながら、個別に設定させていただきます。ご自宅へ退院される場合には、在宅生活に必要な準備を整え、地域の支援サービス担当者へ連携して今後の支援環境をつくる期間も含めます。
入院料の負担減免制度について
●高額療養費制度
所得に応じて1か月に支払う医療費(入院費用)の上限が定められており、その分を超えた支払いは手続きにより還付されます。区役所等で「限度額適用認定証」の交付を受けていると窓口での支払い時から軽減されます。
●難病医療費助成制度
指定難病に罹患されており上記医療受給者証が交付されている方で、当院が指定医療機関となっている場合は自己負担上限額に基づいたお支払いとなります。
●重度心身障害者医療費支給制度
身体障害者手帳1、2級 療育手帳A判定の方で上記受給者証を交付されている方は入院費が減免される場合があります。
その他詳細は医事課・医療相談員にご相談ください。