放射線科このページを印刷する - 放射線科

スタッフ

放射線科医長 内炭 弘嗣
診療放射線技師  7名

保有機器

X線撮影装置、CT装置、MRI装置、RI装置、 X線TV装置、骨密度測定装置

X線撮影検査

放射線科の検査では最も馴染みのある検査です。

X線撮影装置の更新に伴いFPD(Flat Panel Detector)を導入しました。FPDは、X線撮影から直接デジタル画像を作ることができます。そのため撮影した後、数秒で画像を確認することが可能となり、検査時間の大幅な短縮になりました。
さらに従来のX線撮影装置よりも低被ばくで撮影を行う事が可能です。

検査時間は撮影部位、枚数により異なりますが5分~20分程度です。

※予約の必要がない検査です。

X線撮影検査

CT検査

CT検査

今回導入した装置はAIDR 3Dという再構成処理技術が使用できるようになり、今までの装置よりも大幅に被ばくを低減することが可能となりました。その他にも被ばくを低減する技術が使われており、患者さんにはできる限り被ばくの少ない検査を行います。また、医療被ばくが最適化であるかを知るためのツールとして、診断参考レベル(DRL:diagnostic reference level)があります。当院では診断参考レベルを超えないように、CTの検査部位ごとにX線量を設定しています。

金属(インプラントなど)が入っている状態でCT検査を行うと、金属付近がアーチファクトにより正確なデータが得られませんでしたが、SEMARという再構成処理を行うことにより金属付近のアーチファクトを軽減し有用な画像を提供できるようになりました。

この装置の特徴として、高齢者や子どもが乗り降りしやすいように31cm程度まで寝台が下がります。寝台は腕を下した際に肩が痛くならないように幅広(幅:47cm)の設計です。これはCT装置の中で最も広い設計となっており、リラックスした状態で検査を受けて頂けます。

SEMAR使用前
金属のアーチファクトが見られます。

SEMAR使用後
金属のアーチファクトが軽減されます。

CT検査の注意事項

  1. 検査時間は5分~20分程度です。
  2. 妊娠中、妊娠の可能性がある方、ペースメーカーなどX線をあててはいけない機器の入っている方は、事前に担当者に申し出てください。検査部位によっては、主治医と相談をします。
  3. 造影剤を使用する場合、ヨードアレルギー、ヨード造影剤で副作用のあった方、重篤な甲状腺疾患がある方は造影検査ができません。また、糖尿病薬服用(ビグアナイド系糖尿病薬)の方、気管支喘息、心障害、肝障害、腎機能低下、急性膵炎、マクログロブリン血症、多発性骨髄腫、テタニー、褐色細胞腫等の疾患がある方は主治医と相談のうえ慎重に検査を行います。また、授乳中の方も検査前に担当者に申し出てください。

MRI検査

最新鋭3.0T MRI

最新鋭の3.0T(テスラ)MRIで撮影することで従来のMRIよりも鮮明な画像を短時間で検査できるようになりました。


PHILIPS社製 Ingenia CX Dual 3.0T

《安全に検査を受けていただくために》

MRI室内は強力な磁力が発生している特殊検査室となっていますので、以下の内容を充分に注意し検査を受けていただきます。また、検査前には必ず問診票の記載をお願いしています。

  1. 以下に該当する方は検査を受けられません。

    • 心臓ペースメーカー装着者

    • 人工内耳装着者

    • 脳深部刺激装置(DBS)装着者

    • 埋め込み型除細動器(ICD)装着者

  2. お荷物を検査室内に持ち込むと非常に危険ですので、下記のような物は検査前に外して頂きます。(更衣室をご用意しています)

    金属類:財布、携帯電話、時計、メガネ、鍵、ヘアピン、アクセサリー類など
    その他:入れ歯、補聴器、ベルト、ライター、カイロ、エレキバン、金属の付いている下着など

    ※化粧品(マスカラなど)の中には金属を含んでいるものがあるため、化粧を落としていただく場合があります。

  3. 妊娠の可能性のある方、狭いところが苦手な方は医師または技師にお申し出下さい。
  4. 検査に際し、ご不明な点があれば放射線科までお問い合わせください。

《検査の流れ》

寝台に寝て頂き、ドーム状の筒の中に入ります。
検査中は装置から大きな音が発生しますので、耳栓やヘッドホンを使用して検査を受けて頂きます。
検査の内容にもよりますが、検査時間は15分~45分程度です。
必要に応じて造影剤を使用して検査を行なう場合があります。

《当院で撮影する主な画像》

【DIR】
【DIR】
【PADRE】
【PADRE】
【ASL】
【ASL】
【NMI】
【NMI】
【MRA】
【MRA】
【MRV】
【MRV】
【頸椎MRI】
【頸椎MRI】
【腰椎MRI】
【腰椎MRI】
【全脊椎MRI】
【全脊椎MRI】
【肩関節MRI】
【肩関節MRI】
【膝関節MRI】
【膝関節MRI】

RI検査

放射性医薬品(Radio Isotope)と呼ばれる、放射線を発生する薬剤を使用する検査です。病院によってはラジオアイソトープ検査または、その頭文字をとってRI検査と呼ばれています。 放射性医薬品を体内に投与することで、分布や反応によって病気の状態を調べる方法です。放射性医薬品から発する透過性の高い放射線(ガンマ線)をガンマカメラと呼ばれる特殊な装置で検出し、撮像(画像として取得)します。

CTやMRIのように人体の形態を撮影する「形態画像」と異なり、放射性医薬品の体内挙動を撮像する「機能画像」です。

検査時間は検査内容により異なります。

2021年8月に新装置に更新しました。
SIEMENS社製 Symbia Evo Excel
画像掲載 SIEMENS社 許諾済

RI検査の紹介

当院でよく行われているRI検査について紹介します。

1. 脳血流の検査

脳血流検査は、脳の詳細な部分の血流が豊富もしくは欠乏しているかを評価することができます。
正常例は形態画像(形を画像にするCTやMRI)のように見えますが、血流の変化を画像化しています。
このため、脳梗塞部位等の脳血流が極端に少ない部位は画像として殆ど現れません。
神経内科の疾患は症状と脳血流の変化が密接に関係することが多いです。
疾患によって血流が変化(増加もしくは減少)する脳の詳細部位が異なるためです。
診断や経過観察に重要な検査です。

RI検査
脳血流シンチの画像(薬剤:IMPを使用したもの)

2. DatScan検査

パーキンソン症候群およびレビー小体型認知症の診断を目的に開発された検査です。
私たちが意図通りに体を動かせるよう、運動調節を指令しているのが神経伝達物質の「ドパミン」です。
この検査ではドパミン神経の変性や脱落を評価することができます。
ドパミン神経細胞にはドパミンを再取り込みすることでドパミンの量を調節する「ドパミントランスポーター」があります。
この「ドパミントランスポーター」に特異的に集まるよう開発された放射性医薬品がDatScanです。

ドパミン神経の変性や脱落が生じていない場合、線条体と呼ばれる箇所に検査薬が特異的に集まります。(画像参照)
ドパミン神経の変性や脱落が生じている場合、正常例と比較し検査薬の集まりが弱くなります。


DatScanの画像

3. 心筋交感神経(MIBG)検査

当院では、心筋交感神経の検査を神経内科疾患の評価目的に行っています。
心筋交感神経が正常に機能していれば、放射性医薬品がたくさん心筋に集まります。
パーキンソン病やレビー小体型認知症のような心筋交感神経の働きが低下する疾患の場合、放射性医薬品が心筋交感神経に集まる様子が変化(減少)します。


心筋交感神経(MIBG)検査の画像

4. 主なRI検査の実績

核医学検査 入外別件数

国立病院機構 宇多野病院

2022年01月01日 ~ 2022年12月31日

  外来人数 入院人数 合計人数
脳血流 IMP 70 349 419
DatSCAN 66 226 292
心筋 MIBG 24 165 189

5. その他の検査

  • 骨シンチ(骨の炎症や腫瘍の転移を観察する検査)
  • Gaシンチ(腫瘍や臓器の炎症を観察する検査)
  • 心筋血流シンチ(安静時と負荷時の心臓の血流の変化を観察する検査)
  • 唾液腺機能解析(唾液の生成・排泄の様子を観察する検査)

神経内科の精査目的の検査以外にも、上記等の検査もおこなっています。

RI検査は使用する放射性医薬品や検査に使用する薬剤によって、服薬の制限が必要な場合があります。
予約を入れる前に必ず依頼医師に相談し、確認の上で予約し検査を受けてください。

※RI検査は予約制で検査を行っています。
検査に用いる放射性医薬品の有効期限が非常に短く、保管ができない為です。
このため検査にあわせて高価な放射性医薬品を注文しています。
検査当日のキャンセルや延期は、高価な放射性医薬品を廃棄することになります。
キャンセルされる場合は、必ず前日の正午までに病院へ連絡をお願いいたします。

また、当日は予約時間の10分前には検査室に到着されるようお願いいたします。

X線透視検査

X線を照射し、透視する検査です。当院では胃瘻造影、神経根ブロック、嚥下造影検査などが行われています。

嚥下造影とは・・・

NST(栄養サポートチーム)が摂食・嚥下障害のある方の食べたり、飲んだりしている様子をX線透視で観察をし、検査・治療に役立てています。食べてもらう食材には、X線に写るように造影剤を混ぜています。食べる物の状態(とろみを付けたり、小さく刻んだり)や、食べる時の姿勢、食べた後の処置の仕方で、今まで食べにくかったりした物が安心して食べられるようになったり、誤嚥(食べたものが間違って、気管に入る事)を防ぐことができます。

※NST(栄養サポートチーム)は医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、管理栄養士、診療放射線技師等の専門的なスタッフが集まったチームです。

TOSHIBA社製 ZEXIRA DREX-ZX80
TOSHIBA社製 ZEXIRA DREX-ZX80
嚥下造影画像
嚥下造影画像

骨密度検査

CT検査

骨密度検査とは、骨を構成しているカルシウムなどの量(骨量)を測り、骨の強度を調べる検査です。骨密度が低下すると、骨粗鬆症という骨の中がスカスカな状態になり骨折しやすくなりますので、骨密度を定期的に測定することが重要です。

「測定部位」は腰椎と大腿骨頚部の2か所を測定します。
骨折を起こしやすい部位を直接測定する事で、かかとの骨で行う超音波法などの簡易的な骨密度測定よりも、正確な評価をすることができます。

DEXA法による骨密度測定

DEXA法

微量なX線をあてることにより、骨とその他の組織とを区別して、その差で骨密度を測定する方法です。
被ばく線量も少なく、誤差の少ない高精度な測定ができる事から、日本骨粗鬆学会のガイドラインにおいても推奨される検査方法です。

「骨密度」は、骨の強さを判定するための代表的な指標です。骨密度検査では、骨の中にカルシウムなどのミネラルがどの程度あるかを測定します。 骨密度は若い人の骨密度の平均値と比べて自分の骨密度が何%であるかで表されます。

結果用紙
結果用紙
リーフレット
リーフレット
チェック表
チェック表

放射線被ばくについて

私たちは日常生活の中で、大地(土)・宇宙(空)・食物等からの自然放射線を避けることができません。病院の検査で受ける(人工)放射線被ばくの程度は、検査内容によって大きく異なります。一般に撮影枚数や照射時間(被ばくする時間)が多いと被ばく線量は増えます。当院では最新の検査機器を用いることで、患者さんが被ばくする時間を短くすること、放射線の量を少なくすることで被ばく線量低減に努めています。