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国立病院機構宇多野病院 関西脳神経筋センターでは、多発性硬化症センターを開設しています。
指定難病13は、多発性硬化症/視神経脊髄炎と二つの病名が並んで記されています。
多発性硬化症は、MS(Multiple Sclerosis)と英語の頭文字をとって呼ばれることが多いです。
視神経脊髄炎は、NMO(NeuroMyelitis Optica)と呼ばれていましたが、2015年以降、NMOSD(視神経脊髄炎スペクトラム障害)と呼ばれるようになり、NMO患者さんの血液検査で陽性となるアクアポリン4抗体(AQP4抗体)がある方は、AQP抗体陽性NMOSDと呼ばれます。特に、NMOの新薬は、AQP4抗体陽性であることを治療開始前に確認する必要があります。
MS、NMOSD共に、似た症状(視神経炎による視力障害、脊髄炎によるしびれ感や運動麻痺、時には脳にも出現します)を繰り返す(再発する)病気です。
それぞれの疾患で、異なるお薬を使って、再発を抑える必要があります。

MSの治療は、注射のみでなく内服治療も可能となりました。
治療目標は、

  • 再発させない
  • 症状を進行させない
  • MRI検査で見られる病変を増やさない

目標にも入っているように、MS診療ではMRI検査がとても重要です。今後も様々な評価方法が開発されるでしょう。

一方、NMOの治療は、MSと異なり、病気がゆっくりと進行するタイプがないと考えられているため、

  • 再発させない

これが、最大の治療目標になります。

すでに、MS/NMOの診断がされている方でも、少なくとも年に1回は、ご自身の病状を把握するために、定期的な検査が必要です。
以下のような気になるMS/NMOの症状があれば、当院にご相談ください。
特に、

  • MSの新薬NMOSDの新薬が必要かどうか知りたいと希望される方
  • 入院するほどの再発はないのに病気が悪くなっているMSの方(二次性進行型)

は、早めの受診が必要です。

また、再発後の後遺症が残っている方もいつでも相談可能です。

MS/NMOの症状:重症度について

脳や脊髄、視神経といった様々な場所に炎症が生じるため、病気が起こった場所に応じて機能が低下します。 MS、NMO共に、障害がどの程度であるかを評価するために、EDSS(イーディーエスエス)(Expanded Disability Status Scaleの頭文字です)が使われています。 0から10の段階(大きいほど重度)で表されます。 指定難病の定義では、4.5以上を重症と判断しています。 歩行能力やADL(日常生活動作)が重症度に反映されおり、歩行に補助具(片側/両側)が必要な方は、EDSS6.0/6.5に相当し、EDSS7.0以上の方は、車椅子が必要な方になります。

その判定には、以下の7つの機能評価項目が含まれており、神経内科医師による診察によって、判断されます。

  1. 錐体路機能
    筋力のことであり、片手だけの場合もあれば(単麻痺)、両足に症状がでる(対麻痺)こともあります
  2. 小脳機能
    バランス能力のことで、歩くときに酔っ払った様にふらついている、または手足を動かすときに大きく揺れるなど運動失調がみられます
  3. 脳幹機能
    おもに頭部にあらわれる症状で、見えるものが揺れる(眼振)、二重に見える(複視)、顔に電気が走る痛みがある(三叉神経痛)、呂律が回らない(構音障害)、飲み込みにくい(嚥下障害)などの症状があります
  4. 感覚機能
    体や手足のしびれ感(ピリピリなど)や、感覚の鈍さや過敏さなどの症状があります
  5. 膀胱直腸機能
    トイレが近い(頻尿)、行きたくなると間に合わない(失禁)、便秘などの症状があります
  6. 視覚機能
    視力が落ちる(視力低下)、見えにくい部分がある(暗点)、かすむ(霧視)、目を動かすと痛い(眼痛)などの症状があります
  7. 精神機能
    気分が落ち込む(うつ状態)、疲れやすい(疲労感)、仕事の能率が下がってきたなどの症状があります

これらを見ても、多様な症状が現れることが分かると思いますが、MS/NMOは症状の出現の仕方に特徴があります。
例えば、ある日突然、倒れてしまうような脳卒中のような病気は、発病した時間がはっきりわかります。
一方、MS/NMOの場合、数時間(朝と夕方では違う)から数日(昨日と今日では違う)かけて、だんだんと症状が悪化するのが特徴です。そのため、痺れていた範囲がだんだんと広がってくることや、しびれ感(感覚機能)だけでなく力も出なくなったり(錐体路機能)、トイレも我慢しにくくなる(膀胱直腸機能)など症状が増えるようなら要注意です。
気になる症状があったけど翌日には症状が消えてしまうようなら、問題がないことが多いでしょう。
自分でわからないまま進行している症例(進行型MS)もありますので、家族から見て、以前より悪く変化してきているようなら、検査をおすすめします。

病気の進行について

MSは以下のタイプに分類されます。

再発寛解型(RRMS)

急性増悪(再発)と改善(寛解)が繰り返されるタイプ

一次性/二次性進行型(PPMS/SPMS)

発症時から/発症後数年経ってから、症状が進行するタイプ
*進行性と呼ばれますが、常に進行する訳ではなく、活動性がある時とない時があります。

CIS(Clinically isolated syndrome)

MSを疑うような急な発作が初めて起こった状態です。
*しかし、全ての方がMSになる訳はありません。

RIS(radiologically isolated syndrome)

症状はないけれど、MSを疑うようなMRI所見が偶然見つかった状態です。
*CISと同様、必ずしもMSになる訳ではありません。

NMOは、再発した場合に悪化すると考えられています。
MSと異なり、進行型はないと考えられていますので、進行する場合は、再発していないかの検索が重要です。

受診の予約について

診断がついていない方/セカンドオピニオン目的の方

初診時に問診、神経学的診察、MRI検査等を行いますが、診断が未確定の方は、検査入院を行った方が多くの検査を早く終わらせることが出来ます。

MS/NMOと診断されている方

定期的に通院して頂き、神経学的診察、MRI検査、採血などを行います。病状評価と薬剤の有効性を判断します。
MSは、知らない間に症状が進行する方もありますので、定期的な受診を続けて下さい。治療薬の副作用がないかどうかの確認も大切です。

入院中の方

家族のみの来院でも構いませんが、経過がわかるように紹介状を準備してください。
脊髄炎などの再発が生じてから、まだ間もない時期であれば、リハビリテーションでの入院相談も受け付けております。

※診察は、神経免疫外来(田原将行、月・木曜日 午前中)で対応致しますが、症状がある時の方が、検査での異常が出やすいと思われますので、当院地域医療連携室までご連絡(平日9:00~17:00)いただければ、随時対応いたします。

予約電話番号:075-461-5121

MS/NMOの検査について

形態画像検査

脳MRI

もっとも重要な検査です。
MSでは、疾患の活動性があるか、治療が有効であるかの判定に利用されます。
MSの診断にも利用されます。
大脳や脊髄などの中枢神経内に病変が広がっていれば、『空間的多発性』と判断されます。
造影剤(ガドリニウム)の注射をした時に白くみえる造影病変(図1)は、新しい病変と考えられます。古い病変と新しい病変が同時にみられる場合は、病気が繰り返す/再発するという特徴を示すことになるため、『時間的多発性』があると判断されます。
MSによく見られる典型的な画像変化としては、境界明瞭なだ円形の病変が、脳の広い範囲に多発(図2)して見られます。
再発回数以上に、無症候性病変がみられる回数は多く、検査をしなければ、気づかないうちに増える可能性があります。
炎症による障害が強い場合には、ブラックホールと呼ばれる変化(図3)が見られます。

図1:造影される病変(黄色で囲まれた白い病変が新しく、赤色は古い病変)

図2:多発病変(黄色は脳室周囲にある病変、緑は脳の表面近くにある)

図3:ブラックホール(黒く見える病変)

NMOに特徴的な画像は、脊髄に生じる3椎体以上の長い病変です(図3)。視神経や脳にも特徴的な病変が生じることがあります。

図4:NMO患者さんでみられやすい長い脊髄炎(四角形に見える脊椎(黄色の囲みの左側にみえる)3個分の長さの病変が脊髄の真ん中に見える)

最新の撮影方法

MSは大脳白質の病気と長い間、考えられてきましたが、近年は大脳灰白質にも病変が出現することが判明しました。白質は、神経線維が束になって通っている部分であり、灰白質は、神経細胞そのもの(ニューロン)が存在する場所であるため、脳を守るために、その評価が重要になってきます。
当院では、最新のMRI撮影法であるDIR(double inversion recovery)法 を用いることで、これまで検出しにくかった皮質や皮質に接した場所にある病変(図5)が検出しやすくとなりました。

図5:DIR(double inversion recovery)法(上段の左は、従来の撮影法(右図フレア画像)より明瞭で、下段では皮質病変(赤矢印)もわかる)

血液検査

MSは診断に直結する検査項目はありませんが、他の原因がないかの鑑別のために行います。
NMOでは、疾患特異的自己抗体(抗アクアポリン4抗体)が重要です。検出されない(陰性)であっても、疑わしい場合は再検査も重要です。

髄液検査

中枢神経内での慢性炎症がないか、どの程度あるかを評価します。血液検査だけではMSの確定診断は出来ませんので、髄液検査でのオリゴクローナルバンド(OB)、IgG index(アイジージー インデックス)は診断の補助となります。1回だけの症状でMSが疑われているCISの方では、OB陽性の方はMSになりやすいと考えられています。

眼科検査

光干渉断層画像診断法(OCT:optic coherence tomography)
視力、視野検査のみでなく、眼底検査でも重要な情報が得られます。眼底検査では、視神経乳頭の状態や網膜の厚さ測定(OCT)が可能です。OCTにより、残存した神経線維の状態が分かります。

電気生理検査(視覚誘発電位等)

以前に病気があった部位の客観的な評価が可能であり、無症候性病変の検出などができます。

神経心理学的検査

MS/NMOの患者さんは若年の患者さんが多い疾患です。日常生活や仕事をする上で何か気になること等で問題があれば、当院の臨床心理士が心理学的検査を行います。
仕事の効率が下がった、忘れっぽさが気になる方もおられますが、アルツハイマー病などで用いられる認知症の簡易スクリーニング検査MMSE(エムエムエスイー)では異常が分からないと言われています。ウェクスラー成人知能検査第3版 Wechsler Adult Intelligence Scale (WAIS-III) など、詳しい知能検査を行うことも出来ます。

治療について

薬物療法

急性期治療では、ステロイドパルス療法、血漿交換療法などが行われます。
当院では、24時間、MRI検査が可能です。
再発が認められれば、速やかにステロイド治療が開始されます。必要に応じて、血漿交換療法を実施することもあります。

慢性期治療は、再発予防のために使用されます。
再発寛解型のMS治療薬については、以下の通りです。
この数年で、新たな治療選択肢(MSの新薬NMOSDの新薬を参照)が増えてきました。

2000年9月 ベタフェロン®(インターフェロンβ-1b)
2006年7月 アボネックス®(インターフェロンβ-1a)
2011年9月 ジレニア®/イムセラ®(フィンゴリモド)
2014年3月 タイサブリ®(ナタリズマブ)
2015年9月 コパキソン®(グラチラマー酢酸塩)
2017年2月 テクフィデラ®(フマル酸ジメチル)

これらの治療薬をご自身の病気の活動性(再発頻度や後遺症の程度、MRI検査の結果など)、家庭や仕事状況、特に結婚している方は、出産予定なども踏まえて、患者さん毎にベストと思える治療選択肢を選べる時代になりました。
お薬を選ぶときは、当然、効果が強い方が良いのですが、長期的に使用するためには、副作用が少ないことも大切です。

インターフェロンβ

ベタフェロン®、アボネックス®の2製剤が使用可能です。
両者とも注射剤であり、前者が隔日投与(皮下注射)、後者が週1回投与(筋肉注射)です。
注射であるために、自己注射できる様に、看護師による手技の指導・確認を行い、開始されます。
薬剤の効果が得られやすい方(レスポンダーと呼ばれます)とそうでない方がいることが知られています。
MS治療薬として、最も長く使用されている薬剤になります。

フィンゴリモド

イムセラ®/ジレニア®は内服で、1日1回投与です。
初回内服時は、徐脈などの副作用が生じることがありますので、入院での観察が望まれます。
インターフェロンβより強い効果が期待されますが、リンパ球を減らす作用が主な目的ですので、定期的に血液検査をすることが大切です。リンパ球数(白血球数×リンパ球の割合(%)で計算します)200/mm3以下が続いた場合には、中止を検討する必要があります。
既に国内で5千例を超える患者さんへ投与されています。肝機能障害や黄斑浮腫は早期発見に努め、免疫力低下による感染症や帯状疱疹、日和見感染(進行性多巣性白質脳症)への注意が必要です。
急な中断は、再発の誘因となることが知られていますので、自己判断で中止をしてはいけません。必ず主治医と相談して下さい。
内服中の生ワクチン投与はできません。(妊娠・授乳について参照)

ナタリズマブ

タイサブリ®は注射剤で、4週に1回1時間の点滴です。
外来で実施可能です。
最も効果が強いと考えられており、他のMS治療薬と併用はしてはいけません。
免疫力低下による日和見感染(進行性多巣性白質脳症(PML))に、特に注意が必要です。
治療を開始する前に、PMLリスクを検討するために、採血(抗JCV抗体)する必要があります。治療の継続期間については、主治医とよく相談する必要があります。

グラチラマー酢酸塩

コパキソン®は注射剤で、連日の皮下注射です。
インターフェロンと同様に、自己注射できる様に、看護師による手技の指導・確認を行い、開始されます。
日本での認可は遅れましたが、インターフェロン同様に、歴史のある薬剤です。 注射部位の痛み等が生じることがあります。

フマル酸ジメチル

テクフィデラ®は内服で、1日2回投与です。
皮膚疾患(乾癬)の治療薬として海外で既に使用されてきましたが、MSにも有効であることが証明されました。
顔面の紅潮、腹部症状などの副作用が生じることがあります。フィンゴリモドと同様にリンパ球の低下に注意が必要です。

ステロイド/免疫抑制剤

MSには効果がないと考えられていますので、通常使用されません。
NMOに使用されます。ステロイドには多くの知られた副作用(ムーンフェイス、骨粗鬆症、脂質異常症、糖尿病、白内障/緑内障、大腿骨頭壊死など)があります。

対症療法

MS/NMOの後遺症のうち、問題になりやすい症状は、痙縮(手足のつっぱりなど)、痛みやしびれ感、トイレの問題、気分の落ち込みなどがあります。これらの症状一つ一つについて、薬の調整をします。MSでは痙性、NMOでは痛みの後遺症が残りやすいものの一つです。薬による症状緩和を図ることが大切です。

リハビリテーション

リハビリテーションは非常に大切です。
再発予防は第一優先ですが、病状の安定期にも、日常生活向上を目指してリハビリテーションを継続することが大切です。当院のリハビリテーションスタッフが、患者さん毎の症状にあわせて、適切な運動プログラムの指導を行います。
発症して間もない患者さんは、後遺症として諦める前に十分なリハビリテーションを行うことが、特に大切です。半年以上かけて、改善される方も珍しくありません。

妊娠・授乳について

幸いにも、妊娠中は病気の活動性が低下することが知られていますが、MSの治療薬は、妊娠への投与が基本的に出来ません。
妊婦への使用が可能な薬剤は、治療上の有益性が危険を上回ると判断される時に使用するという条件付きとなっておりますが、コパキソン®、タイサブリ®、テクフィデラ®の3種類があります。
妊娠中の使用は出来ませんが、妊娠が判明した時点ですぐに中断できる薬剤としては、インターフェロン(ベタフェロン®、アボネックス®)があります。
現在の病状とあわせて、主治医とよく相談してから治療薬を選択/開始する必要があります。 妊娠時に風疹にかかると胎児への影響(先天性風疹症候群:先天性心疾患、難聴、白内障など)がでる恐れがあるため、妊娠前に風疹に対する抗体がない方は、風疹ワクチン(生ワクチン)が必要です。
授乳に関しては、いずれも中止が薦められています。

NMOは、各種免疫抑制剤も同様に使用出来ませんが、ステロイドのみでのコントロールであれば妊娠は可能です。

MSの新薬

2020年9月 メーゼント(シポニモドフマル酸)
2021年5月 ケシンプタ(オファツムマブ)

両薬剤は、従来のMS治療薬の主な目的であった再発を抑える効果以外に、進行を抑える効果をもつ薬剤です。二次性進行型MS患者さんにも使用できる初めての薬剤になります。

メーゼントは、1日1回の内服薬です。
ジレニア/イムセラと類似の作用機序をもった薬剤であり、中枢神経系への炎症細胞浸潤を抑制する作用があります。
導入前、遺伝子検査(CYP2C9)を実施する必要があります。その結果に応じて、内服の維持量が決まります。
導入当日も心電図モニターが必要です。初回内服後6時間は、病院内での観察が必要です。
導入後は、ジレニア/イムセラと同様に、リンパ球低下がみられるため、定期的な採血が必要です。

ケシンプタは、4週に1回の皮下注射製剤です。最初の導入時のみ3週連続となります。
導入後の数回は発熱などの症状がみられることがありますが、やがて見られなくなります。注射の指導を受ければ、自宅での自己注射も可能になります。
末梢血のリンパ球であるB細胞を消失させることで効果を発揮します。NMOSDの治療薬であるリツキサンと共通した治療法であり、B細胞枯渇療法とも呼ばれます。

NMOSDの新薬

2019年11月 ソリリス®(エクリズマブ)
2020年8月 エンスプリング®(サトラリズマブ)
2021年3月 ユプリズナ®(イネビリズマブ)
2022年6月 リツキサン®(リツキシマブ)
2023年5月 ユルトミリス®(ラブリズマブ)

令和になり、毎年新薬が登場していることが分かります。当院が中心になって実施した医師主導治験(RIN-1試験)で承認されたリツキサンもその一つになります。
すべての薬剤は、再発抑制効果を示したことで承認薬になっており、その有効性は証明されています。
これらは生物学的製剤とよばれ、病気の原因の一つだけを正確に狙うことが出来る治療法であるため、ステロイドのように体のあちこちに作用したために生じる副作用は少ないと言えます。しかし、その作用メカニズムから特有の注意すべき副作用があります。補体阻害剤であるソリリスやユルトミリスでは髄膜炎菌性髄膜炎、サイトカインIL-6をターゲットにしたエンスプリングでは感染症の際に上昇するCRP(血液検査の項目の一つ)が上昇しにくくなるため感染症への注意が必要であり、抗体(免疫グロブリン)を作るリンパ球であるB細胞を枯渇させるユプリズナやリツキサンでは、免疫グロブリン低下などが知られており、それらの副作用に特に注意する必要があります。

投与方法は、皮下注射するエンスプリング以外は点滴製剤です。
投与頻度は、2週毎のソリリスが最も多かったのですが8週間隔での投与がユルトミリスでは可能になりました。エンスプリングは4週毎、ユプリズナやリツキサンは、6か月毎であり、通院負担はかなり少なくなっています。

これらの新薬により、従来治療の中心であった長期ステロイド内服治療が不要になる患者さんも増えています。
これら新薬についての相談も受け付けています。

担当医プロフィール

田原 将行 (医長)

<主な略歴>
1998年滋賀医科大学卒。滋賀医科大学大学院を経て、
2006年4月より当院脳神経内科診療開始
2011年4月リハビリテーション科医長
2017年4月臨床研究部免疫研究室長併任

<学会資格等>
日本神経学会認定神経内科専門医・指導医
日本リハビリテーション医学会認定臨床医
日本医師会認定産業医
日本内科学会認定内科医

このほかに数名の神経内科専門医が神経免疫外来を担当しています。