医師の方へ
国立病院機構宇多野病院 関西脳神経筋センターでは、多発性硬化症センターを開設しています。
様々な臨床経過や臨床病型が考えられてきたMSの中には、重篤・致死的となりうるNMOが包括されていることが判明したのは、2004年のNMO特異的自己抗体の発見に始まります。それに基づき、2006年NMO改定診断基準、2015年のNMOSD疾患概念が確立されました。NMOSDの中に、従来のNMO(AQP4抗体陽性NMOSD)は含まれ、AQP4抗体陰性NMOSDの中から、MOGAD(MOG抗体関連疾患)の新たな疾患単位が確立されるなど、今後、多くの鑑別すべき疾患が増えると思われます。これらの疾患の適切な治療法の検討が必要です。
最新のガイドラインであるMS・NMOSD診療ガイドライン2023には、MSは6種類・7製剤の再発寛解型治療薬(アボネックス、ベタフェロン、コパキソン、ジレニア/イムセラ、テクフィデラ、タイサブリ)以外に、進行型治療薬2種類(メーゼント、ケシンプタ)、NMOSDは4種類の治療薬(ソリリス(同クラスの作用機序をもつユルトミリスは未掲載)、エンスプリング、ユプリズナ、リツキサン:すべて生物学的製剤)が記載されるなど、治療薬の進歩が目覚ましい時代となりました。
治療選択肢が多くなることで、MS・NMOSD診療ガイドライン2023には、以下の治療アルゴリズムがあるものの、治療導入や切り替えのタイミングにおいて、判断に難渋したり、躊躇する場面が増えている現状も少なくないと思われます。
再発寛解型MSの治療アルゴリズム(多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023より抜粋)
AQP4抗体陽性NMOSDの治療アルゴリズム(多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023より抜粋)
これらの診療状況を踏まえて、当院では、診断や病状評価以外にも、これらの新薬の導入(特に、生物学的製剤の新規導入)についても、相談をお受けしております。
受診の予約(平日9:00~17:00)は、当院地域医療連携室で行っています。
予約電話番号:075-461-5121
※神経免疫外来診察日(田原)は、月・木曜日 午前中 (予約制)になります。