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在宅支援入院

近年、医療技術の進歩や在宅医療の推進により、在宅で生活されている医療的ケアが必要な方は増加傾向です。
在宅で過ごされる重症心身障害児(者)は、家族によるきめ細やかな医療的ケアや看護を受けられる利点がありますが、一方では、在宅で医療的ケアを実施している看護者は、日常的に高い責任を感じ、重度であるほどその家族への負荷は大きいと言われています。
また、外来通院や検査も容易ではなく、問題点が生じて人工呼吸器や薬剤を変更しても経過観察を行うのは家族となってしまうため、心配も大きいとのお話もよく聞かれます。
そこで当院では少しでもお役に立てればと、【在宅支援入院】を行っています。

在宅支援入院とは

【在宅支援入院】とは、定期的に短期間(1-2週間)入院していただき

《医療的評価・判断》
  • 栄養‐身長・体重・体脂肪および筋肉量や水分量など
  • 呼吸状態‐呼吸器設定変更、SaO2モニター、夜間二酸化炭素モニターなど
  • 検査‐頭部MRI、CT、血液・尿検査、レントゲン、脳波など

《医療的ケア・看護》
  • 医療的ケア方法の練習、見直し、指導など
  • より患者様本人と家族の双方にやさしいケアの工夫

《その他》
  • 家族の疲労軽減・休息、兄弟の行事出席等
  • リハビリテーション‐理学療法、作業療法、呼吸・肺療法

等々について、多方面(医療・看護・レスパイト等)から在宅支援を行っていく事を目的としています。在宅医療生活におけるすべての問題に、少しでもお力になれればとの思いから始めました。
病棟は、人工呼吸器が必要な神経難病の長期入院患者様が多く、看護師は人工呼吸器や経管栄養の管理・重症心身障害者の看護に習熟しており、一緒により良い医療・看護を目指して行きたいと思っています。

基準について

病棟の特性上以下のような基準を設定させていただいていますが、ご興味がある方や在宅医療でのご心配・問題点等がありましたら、お気軽に地域医療連携室までご連絡ください。

(基準)
  • 10kg以上(これは要相談)
  • 発達段階:寝返りまで、経管等の自己抜去の危険性が少ない事
  • 時間単位の訪室、モニター管理可能である事(常時の見守りが不要)
  • 食事介助での経口摂取は、個室は不可、総室・食堂等で1時間以内
  • 病棟スケジュールとの擦り合わせが可能な事(起床、食事時間等)
  • 呼吸器はトリロジーかアストラル
  • 体調が比較的安定しており、緊急での入院・夜間救急受診が3か月に1回以下である事
  • 今後定期的な入院が可能、ご希望される方

手順について

具体的には以下のような手順で行っていますが、ご家族からのご相談からでも対応させていただきます。まずは一度、地域医療連携室までご連絡ください。

(手順)

(1)主治医の先生より紹介状を送付いただく
(2)ご家族にご自宅での生活のタイムスケジュールを記載していただく(当院書式あり)
(3)紹介状と日常生活のタイムスケジュールより院内カンファレンス施行
(4)カンファレンスを基に入院計画作成
(5)外来受診、病棟見学、入院計画提示、ご本人診察、保護者と面談
(6)試験入院
(7)入院後カンファレンス、問題点検討、入院計画修正
(8)在宅支援入院開始

受診予約・連絡先

宇多野病院 地域医療連携室

TEL: 075-461-5152(直通)平日9:00~17:00
FAX: 075-461-5152